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Koji Yamamoto 35th Anniversary Liveの感想(2) [長めのつぶやき]

なかなか簡潔にまとめられず、二幕からこちらでつぶやきます。

二幕は「Jonathan Larson's Memorial」と題されていて、ジョナサン・ラーソンが残した2つのミュージカルを歌います。

まず、「tick, tick...BOOM!」。山本さんはttbの衣装を着て舞台の登場。簡単な説明のあと、電子ピアノに向かい、ttbの冒頭シーンのセリフ「僕はジョン・・・」というところからはじめるのですが、一幕はヘドウィグで終わったのに、一気にジョンになってしまい、おお!って思いましたね。「30/90」は1990年に30歳になるという意味で、30歳を前にして作曲家の夢をあきらめるかどうか迷っている気持ちを歌っています。35歳の山本さんもこんな気持ちなのかなーと思いました。

だって次の曲は「Johnny Can't Decide」、ジョニーは決められないって言ってるんだもん。恋人のスーザンはダンサーの夢をあきらめて、ジョンと結婚して田舎に引っ込みたいと思っている。それでも決断できないジョンなのです。後ろに控えている男女のコーラスの方が、マイケルとスーザンのパートを歌うのですが、結構いい感じだったので、できたら一緒に前で歌って欲しかったような。でも山本さんのttbの時に出ていた人たちではないし、譜めくりしてたから暗譜して演技をつけてとなると難しかったのかも。

3曲目は意外にも「No More」。これは本来はジョンの親友のマイケルが歌う曲。ジョナサン・ラーソンが中途半端なロックじゃなくて本物のロックでミュージカルを作り本物のバンドとともに上演したいと思っていたという説明のあとで、このテンポのいい曲を「失敗したらごめん」と英語で披露。役者をあきらめたマイケルがビジネスマンとして成功して、新しいアパートメントに引っ越す。「キッチンにバスタブがあってシャワーを浴びてると朝食を食べてるルームメートに水がかかっちゃう、そんな生活とはおさらば、きれいな床や皿洗い機のある夢の暮らしを手に入れたんだ」みたいな内容。しかしそんなマイケルにも深刻な悩みがあるとあとでわかるので、この成功もはかないものなのです。それがせつないですよね。

そして名曲のひとつ「Why」。親友マイケルの深刻な現実を知ったジョンが子どものころからの思い出を語りつつ、自分はこういう風に生きていきたいんだと歌います。この曲にはタイトルのwhyという単語は出てこなくて、語尾のNY(エヌワイ)とかI(アイ)、High.(ハイ。高校のこと)とか、韻を踏んでいく感じが心地いいんですよね。すっかりttbワールドにひたってしまいました。

そしていよいよ「RENT」です。いったん引っ込んで(その間、ピアノ演奏かなにかでつないでいたような?)出てきた山本さんを見たら、マークの衣装を着てるじゃないですか!あの特徴的な色合いのセーターまで!否応なくテンションあがります。1人?と思ったら、続々と仲間が出てきてまずは「Rent」。いったん他の人たちが下がって、山本さんと、途中から出てくる渡辺正さんのロジャーと歌う「What You Own」、そしてもちろん「Seasons of Love」。山本さんが出ていた頃の日本版「RENT」は見たことがなかったので、本当に感激!「Seasons of Love」のソロは東宝「RENT」に出ていたエリアンナさんだったんだけど、すごくうまかったですね。エリアンナさんは東宝の時はソリストではなくそのアンダー?だったはずなので、初めてちゃんと聞いた感じです。

「Seasons of Love」で、あれ?っと思ったことがありました。人数分スタンドマイクが用意されたのですが、上手から3人目のところが空いたまま歌が始まったのです。それは渡辺健さんのための場所でした。私は知らなかったのですが、亡くなっていたんですね。パンフにも「天国から 渡辺健」と書かれていました。そういえばアンサンブルの渡辺大さんは健さんの弟さんできょうだいユニットKD.Earthを組み、時には山本さんと3人でも活動されていたみたいで、Hedwigの時も出てたと、あとで思い出しました。「RENT」でもエンジェルが亡くなったあとのSeasons of Loveではエンジェルの立ち位置が空席になっていましたが、今回はスタンドマイクなのでいっそう事情がわかりやすく、すごくショックでもありました。それがわかってみると、一幕で山本さんが歌った「レ・ミゼラブル」の中の「Empty Chairs At Empty Tables」で、革命で自分だけが生き残ったマリウスが死んだ仲間への思いを歌ったり、「Why」もマイケルが長く生きられないかも知れないとわかって歌う歌だし、ジョナサンだけではなく、亡くなった仲間へのメッセージでもあったんだなーと、あらためて心に深くその思いが響いたのでした。

私が観たのが3公演あるうちの最後の回だったこともあり、カーテンコールでは山本さんが出演者に感想を聞いたりしていたのですが、久しぶりに会って「RENT」の歌が歌えた感動からか、涙ぐむ人が続出。落ち着いているようにみえた山本さんも、「Godspell」の仲間のひとりのオーバーオール姿を見て「なんで、衣装着てるの?」と聞いて、でも「Godspell」の曲を歌ってる時もこの衣装だったので本人が「最初から着てるよ」というと、「全然気がつかなかった」って。え〜、だって一緒に歌ってたじゃない?(笑)この日はマチネもあったはずなのに。きっと公演を成功させるために色んなことを考えていて余裕がなかったんでしょうね。そういう風にみえないけど、山本さんも人の子なんだねえとなんかほっとしたエピソードでした。

2時間くらいの間に私の大好きなミュージカルを何本もダイジェストで観ちゃった感じ。山本さんはホントすごいよね。しきりに「RENT」のオリジナル演出にこだわりたいとか、またこういう機会を持ちたいと言っていて、だったら山本さんの主演でもう一回やってほしい〜って強く思いました。みんなも臨んでいることだし。

残念なことがあるとしたら、先行予約で取った席が1階席の一番後ろで、でもセンターから2つ目だからいいかと思ったら、ど真ん中にスタッフ用のブースがあるので真ん中というより上手ブロックのセンターよりって感じだし、2階席が上に張り出していて圧迫感がありました。でも赤坂BLITZは小さなホールなので山本さんの顔もよく見えたからまあいいんですけど。

それと1幕の1曲目で1番前から数列の人が申し合わせたように立ち上がり、2曲目から座ってくれればいいのに立ったままで、結局1幕の間中立ちっきり。椅子と椅子の間で足下にカバンとか置いている狭いところで立ちっきりはきつかった。でもみんな立ってるから座っちゃうとみえないから、立っているしかない。足が痛くなりました。

でもそれを除けば大満足のステージでした。そして、私も、「ああやっぱりオリジナルはいいな〜」と思ったりしたのでした。

長い長いつぶやきでした。
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Koji Yamamoto 35th Anniversary Liveの感想(1) [長めのつぶやき]

Team Yamamoto Presents Koji Yamamoto 35th Anniversary Liveの1/25(水)の夜公演に行ってきました。

Twitterでは字数制限があって語りにくい。でもいったん閉じてしまった赤いブログは使えない。そこで存在自体をオープンにしていないTwitterの記録用テストブログで長めのつぶやきをしてみようと思います。

このコンサートは35歳になった山本耕史さんが、同じ35歳で亡くなったジョナサン・ラーソンへの思い入れと、35歳以降をどう生きるべきかを自ら問いかける心情が色濃く表現されていたと思います。

第一幕のオープニングは、「Hedwig and the Angry Inch」から「Tear Me Down」。この曲はHedwigのオープニング・ナンバーで、おおげさなウィッグと、ド派手なメイク、蛾の羽根のようなマント?を羽織ったHedwigがステージに登場、圧倒的な迫力で歌い踊って、自らのショーの幕をあけるというもの。オープニングにはふさわしいですね。山本Hedwigの公演ではタイトルを「引き倒してみろ」みたいに訳してましたね。過激な曲です。今回は他の曲も歌うから落ち着いた感じの衣装だったけど、自分でも言ってたけど、心はHedwigだったですね。わくわくしました。

そのあとの数曲(Last Five Years, Godspell, オケピ!)は初めて聞いたんだけどいい曲でしたね。意味深いというか。オケピ!の曲で、「これは僕がやりたかったことじゃないのに、母さん」みたいな歌詞があって(うろおぼえですが)、言葉通りではないだろうけど、35歳という節目の年に何かを模索してるみたいな感じに受け取ることができました。

レミゼは飛ばして、Hedwigの2曲について。「The Origin of Love」はHedwigを代表する曲で、大昔は男と男、女と女、男と女がそれぞれ2人でひとりだったのが、神様によって引き裂かれたという内容で、引き裂かれた片割れを探すという、この作品のテーマにもなっている曲。愛の曲だし「RENT」の「Seasons of Love」に通じるものもありますね。

一幕最後の曲は「Midnight Radio」開演前に曲目をちらっとみて、一幕の最後がこれか〜、いいなあ!と思いましたね。Hedwigでも最後の曲なんだけど、簡単に言うのは難しいけど、ある事情で性転換して男性から女性になったヘドウィグとそのパートナーで男性なんだけどドラッグクイーンになりたいけどヘドウィグに禁止されてるイツハク(それをなぜか女性が演じる)がこの直前にヘドウィグが自分のウイッグをあげて、自分は最小限の衣装になって派手派でメイクも落として素の自分に戻って歌うのがこの歌なんですよね。性転換手術も失敗し、元の恋人にも裏切られ、何もかも失った状態なんだけど、それでも生きていこうとするという感じで。途中に出てくる女性の名前は女性のロックミュージシャンだそうで、ヨーコとはオノ・ヨーコをさしているとか。きっと男性社会の中で戦ってきたであろう女性アーティストへの共感と、自分は自分のロックを歌っていけばいいんだ、みたいな思いをうたっている曲。

私は山本Hedwigの初演の初日を見てるんですが、この最後の曲歌い切った山本さんのすべてを出し切って、汗だくで、痛ましいまでに疲れ切っているんだけど、神々しいようなオーラを放っている立ち姿が今でも忘れられなくて、そんなことを今回思い出してしまいました。最後に「Lift up your hands」と繰り返すところがあって、ここでどのくらい手があがるかなと思って見ていたのですが、結構上がってましたね。大半の方がHedwigを知ってるってことですね。山本さんはマイクを持っているから片手しかあげませんが「your hands」と複数形なので両手を上げるという意味だと誰かが言ってたけど、多くの人は片手だけでしたね。これ、英語的にはどうなんでしょうね。でもこの手をあげるシーンは盛り上がりますよね。3曲しかやってないのに、Hedwigを一本見ちゃったくらいの満足感がありましたね。

長くなったので続きは別記事へ。
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